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シルクカントリー群馬
Silkcountry Gunma21
シルクカントリー群馬イメージ
マフラーの製造工程を見守る松井社長米MoMAショップに輸出され、人気を集めているマフラー
マフラーの製造工程を見守る松井社長。右は米MoMAショップに輸出され、人気を集めているマフラー。

MoMAショップ売上数 5年連続の首位 07年
     マフラー、帽子1万点 カラフルな縦じま特徴 欧州市場も視野に 桐生の松井ニット技研
掲載日・2008/05/06
 ニット製造の松井ニット技研(桐生市本町、松井智司社長)の製品が米国のニューヨーク近代美術館(MoMA)のショップで、二〇〇三年から五年連続で売上数量一位となっている。優れた品質が消費者の人気を集め、販売量は年々増加、〇七年はマフラーや帽子など約一万枚を売り上げた。この評価を背景に日本国内の美術館や百貨店にも販路を拡大。今後は欧州市場への進出も計画している。

 同社の製品は、赤や青、黒などの色の付いた糸を使い、カラフルな縦じまに編むのが特徴。幅七ミリほどのリブ(うね)を付けた製品が主流で、売れ筋は「毛け混こんマルチカラーリブマフラー」。ほかに特殊アクリル糸を使ってミンクのような感触を再現した「ミンク加工マフラー」も人気を集めている。
 同社は一九〇七年創業の老舗。従業員数は八人。中国や韓国の安いニット製品の影響を受け、新たなビジネスを模索していたころ、製品がMoMAショップのバイヤーの目にとまり、一九九九年から取引が始まった。
 製品の質の高さに加え、マフラー一枚四十八ドル(約五千円)前後と割安感のある価格が受け、〇三年には売上数量一位に躍進。以後、トップを走っている。
 〇五年には自社ブランド「ニッティング・イン」を立ち上げた。色数を減らしてコストを抑える国内メーカーが多い中、手間のかかる多色編みにこだわる。「柔らかな肌触りの製品を作りたい」(松井社長)と、あえて昭和三十年代の機械を使い続けている。
 MoMAでの成功によって、日本国内の販路も広がり、群馬県立近代美術館や岡山県倉敷市の大原美術館のショップなど、現在五十店舗で自社ブランド品を販売している。
 また、スポーツ用品メーカー大手のデサントからも声がかかり、同社の販売店に製品を出すことも決まっているという。

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