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シルクカントリー群馬
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富岡実業高校の生徒が作った紙芝居   製糸場の乾燥場で新作を上演する富岡中央ロータリーのメンバー
                     富岡実業高校の生徒が作った紙芝居      製糸場の乾燥場で新作を上演する富岡中央ロータリーのメンバー

製糸場を 紙芝居に 世界遺産登録を後押し 富岡実高草花部 富岡中央ロータリーク
掲載日・2008/08/27
 富岡市の旧官営富岡製糸場の歴史や価値を分かりやすく伝え、世界遺産登録への機運を高めようと、地元の富岡実業高校草花部と富岡中央ロータリークラブがそれぞれ紙芝居を作った。富岡実高の作品「富岡製糸場とは」は園児や小学校低学年児童向き。中央ロータリーは二作目「朝日に映える巨大な赤れんが建物」で高学年児童や大人が楽しめる。同校生徒は「地域の関心を高めたい」、ロータリー会員は「将来は紙芝居のまちに」と意気込む。

 富岡実高の紙芝居はA2サイズで全六枚。製糸場の歴史や建物の構造を描いた。製糸場の外観写真や工女のイラストなどを大きく使い、文字を少なくして、子供が飽きないよう工夫した。絹産業を通じて日本の近代化を支えた製糸場の役割や、官営期建造物の特徴的工法「木骨れんが造り」などを取り上げた。
 生徒十二人が五月中旬、授業の一環で制作を開始。中心となった草野智也君(18)と井沢憲彦君(17)は「園児でも分かるよう、難しい表現を簡単な言葉で言い換えるのに苦労した」と話す。富岡実高が管理を任されている東繭倉庫前の花壇整備に合わせて六月中旬、地元の園児や児童らの前で初めて披露した。
 今後は改良を加え、新たに小学生用の紙芝居も作る。同校は「幅広い世代に製糸場の価値浸透を図りたい」という。
 中央ロータリーは五部構想で「赤れんが物語」に取り組む。新作は再繰式を採用した仏人技術者ポール・ブリュナの決断、近隣から資材を調達した建設工事の模様などに焦点を当てた。途中で「使ったれんがは全部で何万個?」などと、クイズを盛り込む。昨年制作した第一部の続編で、七月下旬のイベントの際、会員が自転車の荷台に載せ、製糸場と中心市街地施設の二カ所で二作を交互に演じた。
 今期事業として、工女の物語などを描く第三部を制作する計画。会長の勅使河原正己さん(63)は「興味のある団体に取り組みが広がれば、一般の理解が深まる」と富岡実高の活動を歓迎している。

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