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桑くれを行う子供たち
富実高食品科学科の3年生3人 桑の実でパン作り 名物へ商品化目指す

富実高食品科学科の3年生3人 桑の実でパン作り 名物へ商品化目指す
掲載日・2009/07/18
食用の桑の実「マルベリー」で甘楽富岡地域の新たな名物を作ろうと、富岡実業高校(大嶋稲良校長)食品科学科の3年生3人が、マルベリーから抽出した酵母を使った「どぅどぅめパン」を考案した。今後完成度を高め、季節の香りあふれる旬の味として商品化を目指す。
 考案したのは、農業系クラブの応用微生物部副部長の佐藤亮君(17)と石井雄太君(17)、関口秀行君(18)。3人は「食品に関する研究をしたい」と入部後にチームを組み、昨年冬からは「季節の果実を材料にパンを作る」をテーマに研究を開始した。
 3人が注目したのは、県内で唯一、養蚕の授業がある同校生物生産科の生徒たちが育てていた桑の木の果実。関東では「ドドメ」と呼ばれる実は、授業でもほとんど活用されずに処分されていた。
 5月中旬に果実を収穫し、皮の表面などにいる酵母菌を増やす作業に着手。十分な量の酵母が確保できたところで、小麦粉などと合わせ試作品を作った。
 「1週間程度しか保存できないので、酵母の取り扱いに苦労した」と3人。パンの焼き加減を工夫したり、かびが生えないように酵母の量を調整する作業にも手間がかかったという。
 出来上がった試作品は直径5センチほどのボール形。中がうっすら紫色で「マルベリーの甘酸っぱい風味が、パン本来のうま味を引き立てる味に仕上がっている」と3人は自信を見せる。
 「どぅどぅめパン」のネーミングはドドメをアレンジして、より親しみやすい名前を考えた。佐藤君は「味や見た目をもっと改良したい。将来はこの地域の名物として、活性化に貢献できればうれしい」と力を込める。
 校内でマルベリーが収穫できるのは5〜6月。食品関係への就職などを希望しているという3人は、卒業前まで研究を続け、内容を後輩に引き継いで、近い将来の商品化の夢を託す。

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