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シルクカントリー群馬
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桑くれを行う子供たち
富岡シルクブランド協 地元産糸でスカーフ 横浜の老舗メーカーと協力 11月にも発売

織物の知識次代に 桐生繊維大学 若手ら15人参加し開校
掲載日 2009/09/28
  蚕糸・絹業提携グループの富岡シルクブランド協議会が、横浜発祥の老舗絹製品メーカー「椎野正兵衛(しょうべい)商店」と共同で、総シルクのスカーフを製作した。富岡市内の養蚕農家が飼育し、旧官営富岡製糸場で荷受けした繭が素材。製糸場と同商店はともに、シルクの輸出で明治初期から世界へ飛躍した。協議会は「当時から続く『ものづくり』の息吹を感じてほしい」と期待を込めている。
  椎野正兵衛商店の現店主、椎野秀聡(ひでさと)さん(62)を講師に招き、10月18日に製糸場で開く世界遺産の講演会でお披露目し、11月にも販売を始める予定。
  繭の荷受け後、協議会が製糸や撚(よ)り、白生地の織りまでの工程を担当。同商店はデザインや捺染(なっせん)、縫製を受け持った。
  製品は90センチ四方の大判(1万8900円)が梅、フジの図柄で2種類、68センチ四方の小判(1万2600円)が梅と桜の図柄で4種類。製糸場東繭倉庫を図案化した「TOMIOKA SILK(トミオカ・シルク)」と同商店の「S・SHOBEY(ショウベイ)」のロゴが入る。大判、小判計240枚を協議会や同商店の提携先が販売する。
  協議会は昨春に発足。昨夏の洞爺湖サミットで、各国首脳夫人らへの土産となった特製のシルク風呂敷作りをとりまとめた際も、同商店に製造業務を依頼した。
  製糸場は操業開始翌年の1873年のウィーン万博に生糸を出品し、進歩賞牌(しょうはい)を受賞。同商店の初代、椎野正兵衛は政府の絹製品伝習生に抜てきされて同万博に参加後、独自のアイデアで「横浜スカーフ」の原型などの製品を次々と開発した。店は関東大震災や横浜大空襲の打撃で閉じたが、秀聡さんが2002年に再興した。

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