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桐生お召しの新たな魅力づくりを目指し織られている広幅の試作品
桐生お召しの新たな魅力づくりを目指し織られている広幅の試作品

90センチ 幅お召し試作へ 「八丁ヤーン」県繊工試と 洋装に活用で活路 桐生
掲載日 2009/10/24

一世を風靡(ふうび)した桐生お召し(お召しちりめん)の復活を目指し、桐生市の有志らが設立した「八丁ヤーン」(長田克比古社長)が、県繊維工業試験場の協力で、幅約90センチとなる広幅のお召し製作に取り組んでいる。洋装への活用など新たな付加価値、魅力づくりが狙いだ。
同社などによると、桐生お召しは幅約40センチの反物で織るのが一般的。八丁ヤーンでは、お召しが絹の美しい風合いを持つことから、ジャケットやスーツなどへの利用を模索。1メートル当たり2700回撚(よ)った同社の強撚糸(きょうねんし)を緯(よこ)糸に使い、同試験場の織機で広幅を試験的に織ることにした。
8月から織り始め、今月下旬までに長さ30メートルを織る。同試験場によると、糸の張力などを注意すれば技術的にもほぼ問題なく織れるという。
同社では、試作したお召しでジャケットを仕立てる予定で、その後生産量や販路などについて検討し、可能性が広がれば「桐生の新たな織物文化を伝える製品にしていきたい」考えだ。
お召しは、1メートル当たり2500〜3500回撚った強撚糸を緯糸に使った織物で、表面に細かな凹凸ができるのが特徴。桐生織の最高級品として昭和30〜40年代に人気を博したが、その後流通からほとんど姿を消した。

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