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興味津々の様子で蚕を見る子供
興味津々の様子で蚕を見る子供

蚕を育て生態学ぶ 前橋で教室スタート 親子ら30人、自宅で
掲載日2010/07/28

絹産業遺産群の世界遺産登録運動で、養蚕県としての歴史や文化が再評価される中、子供たちに蚕の生態を知ってもらおうと、「蚕の不思議体験教室」が26日、前橋市日輪寺町の南橘公民館で始まった。子供や保護者約30人が4センチほどに育った蚕を受け取り、自宅で飼育しながら繭を作るまでの生態を観察する。
教室は繭や生糸がどのように作られるのかを子供たちに知ってもらおうと開催。同公民館が昨年に引き続き夏休み期間を利用して実施した。
講師は県蚕業試験場(現県蚕糸技術センター)に39年間勤め、蚕の人工飼料の開発と普及に取り組んだ宮沢福寿さん(75)=同市関根町。宮沢さんは退職後も保温効果のあるラジウムを含んだ繭糸を開発するなど独自の研究に取り組んでいる。
教室は8月16日まで4回開かれ、子供たちが蚕の成長に合わせて生態を学ぶ。初回の教室では宮沢さんが蚕の一生や飼育法、餌やりの注意点を説明。その後、子供たちは31品種の蚕を二つの観察箱に取り分け、約2週間の飼育をスタートさせた。
養蚕農家の減少で、ほとんどの子供が蚕を見るのは初めて。ほかの幼虫と違い、動かずにじっとしている蚕を見つめながら、「かわいい」「どんな姿になるのか楽しみ」と興味津々の様子だった。
飼育は宮沢さんが県蚕業試験場に勤務していたときに開発した人工飼料「くわのはな」と桑の葉の2種類を使って行う。餌の食べ方や出来上がった繭の色を比較するほか、年末には繭を使って干支にちなんだ飾り物や季節に合わせた小物を製作する。

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