上毛新聞社「21世紀のシルクカントリー群馬」キャンペーン

シルクカントリー群馬
Silkcountry Gunma21
シルクカントリー群馬イメージ

下仁田町教委 国指定史跡「荒船風穴」 保存管理へ計画 9月内にも策定委 世界遺産登録に弾み
掲載日2010/09/24

下仁田町教育委員会は天然の冷気を利用して蚕の卵を冷蔵した施設「荒船風穴」(同町南野牧)が今年2月に国指定史跡となったのを受け、月内にも保存管理計画を策定するための委員会を設置する。町内外の有識者ら8人で構成、史跡の価値を損なわない効果的な管理方法などを探る。石垣の一部が崩落した1号風穴の対応も議論する。世界遺産登録を目指す「富岡製糸場と絹産業遺産群」の中でも重要な史跡の一つだけに、活発な意見交換が展開されそうだ。
策定委は本県の蚕糸業史に詳しい前橋国際大の宮崎俊弥教授や町の文化財調査委員らで構成。傍聴人として文化庁や県の職員が参加する。月内の第1回会議を皮切りに全5回を予定しており、来年度の計画策定を目指す。
議論のテーマは(1)遺産価値の再評価(2)構成要素の確認(3)保存範囲の検討(4)整備、活用の基本方針の決定―など。観光資源としての活用も踏まえ、長期的な保存管理の方向性を考える。石垣崩落後、手を入れていない1号風穴は現状のまま保存するか修復するかを話し合い、結論を計画に反映させる。
町教委は「保存管理計画は世界遺産登録や国指定史跡の維持に必要。荒船風穴自体を守る裏付け資料にもなるため、しっかりと準備を進めたい」としている。

-------------------------------------------------------------------------------------------------------------