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製糸場でカフェ、宿泊 「柔軟発想」で多用途化 富岡市の整備活用計画案
掲載日2010/10/23

 世界遺産登録を目指す旧官営富岡製糸場について、富岡市の整備活用計画案が22日、固まった。文化財として保護しながら、博物館的な機能にとどまらない多様な用途で活用する。来場者が楽しめる空間づくりを目指し、「柔軟な発想」を取り入れ、製糸場内の既存施設を改修したカフェや宿泊施設の開設も盛り込んだ。
 富岡製糸場整備活用委員会(委員長・斎藤英俊京都女子大教授)の専門委員会で基本的にまとまった。文化庁との協議や市民への周知を経て、年明けに開く整備活用委員会で正式に決定する。
 計画案は、(1)展示・公開(博物館)(2)研修・教育の場と機会の提供(3)柔軟な発想による楽しむ空間の提供―の3点を掲げる。これらの機能に基づき、往時の使われ方を踏襲することに加え、修理が終了したものを極力公開していくことなどを活用方針に据えた。
 製糸場内を学習・研究ゾーン、見学ゾーン、宿泊ゾーンなど七つに分ける。明治期のフランス式繰糸器復元や乾燥機など一部機械の動態展示、場内に残る現存の機械を使った生産も進める考え。
 カフェは1872(明治5)年の創業に尽力したフランス人、ブリュナが住んだ首長館や社宅に開設し、宿泊施設は寄宿舎を利用することを想定している。
 今後は文化財としての価値を維持することとの兼ね合いや財政面、時代の変化も考慮して計画案の実現を探ることになるとみられる。
 斎藤委員長は「柔軟な発想で特色ある魅力的な空間とすることで、産業遺産活用の先駆的事例、模範例になれば」と話した。

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