4.1 熱気球自由飛行安全規定

4.1.1 目的
現在わが国では熱気球は航空法上の航空機とは認められていません。しかし空 を飛ぶものの常識として、叉安全飛行上の常識としてわが国の航空法、諸外国 の状況(FAA及びBBAC飛行規定)を参考に日本国内(諸外国での飛行は各国の規定 に従って下さい)での熱気球の飛行を規定する連盟の内規として熱気球自由飛行 安全規定(以下安全規定)を作成したものです。日本気球連盟に加入している全 パイロットが、安全にフライトするための基準として位置づけられます。

4.1.2 対象
日本気球連盟に所属する全パイロット及びPu/t

4.1.3 適用範囲
熱気球自由飛行におけるレイアウト〜インフレーション〜回収迄を範囲とする。

4.1.4 安全規定

  1. 記録
    1. 機長は飛行の後、機体ログブック及びパイロットログブックを記入しなければならない。フライトレポートはこれを作成することが望ましい。
  2. 機長の責任と権限
    1. 機長は、飛行に際して全ての責任と権限を持つ。
    2. 機長は飛行に先立ち、必要な情報のすべてを熟知しなければならない。
    3. 機長は飛行に先立ち機体の点検を行い、安全な飛行ができる状態にあるかを確認しなければならない。
    4. 熱気球の自由飛行を行う機長は、日本気球連盟の定める有効な熱気球操縦技能証明証を所持する者でなければならない。但し、連盟の定めるトレーニングフライトにおけるPu/tのソロフライトはこの限りではない。
    5. 第三者の生命、財産等を危険にさらすような飛行を行なってはならない。叉事故が起きた場合の為の十分な配慮がなされていなければならない。
    6. 機長は事故を起こした場合は、事故報告書を作成し速やかに安全委員会に提出しなければならない。
    7. ソロフライトを行うPu/tは上記a)〜f)の機長に該当する。
  3. 酒と薬
    1. アルコールの影響が残っている間飛行してはならない。
    2. 安全性を低下させるような個人の能力に作用するあらゆる薬を服用している間は、飛行してはならない。
  4. 落下物
    1. 飛行中気球より人または財産に被害を与える恐れのあるいかなる物体も投下してはならない。
  5. 酸素
    1. 高度12,500ft(SL)で30分以上の飛行を行なう場合酸素を携帯しなければならない。
  6. 通行権
    1. 異なる高度を飛行中の気球間においては、下方にある気球に優先権がある。
    2. 同一高度で飛行している気球に関して、飛行方向に対し右側の気球に優先権がある。
    3. 同一方向、同一高度で飛行している気球は、飛行方向に対し前方の気球に優先権がある。
    4. 非常事態にある気球は他の気球に対して優先権を持つ。
  7. 有視界飛行条件(図4−1)(省略:NKR パイロットハンドブック参照)
    1. 気球の飛行は、航空法に定めるVMCの範囲で行なわなくてはならない。
      1. 管制区及び管制圏以外の空域を飛行する場合は、次の条件に適合する気象状態でなければならない。
        1. 飛行視程は1,500m以上あること。
        2. 気球からの垂直距離が上方に150m、下方に300mである範囲内に雲が無いこと。
        3. 気球からの水平距離が600mである範囲内に雲が無いこと。
        4. パイロットが地表叉は水面を引き続き視認する事ができること。
      2. 管制区及び管制圏以外の空域を地表叉は水面から200mを越えない高度で飛行する場合は、次の条件に適合する気象状態でなければならない。
        1. 飛行視程は1,500m以上あること。
        2. 気球が雲から離れて飛行でき、かつパイロットが地表、叉は水面を引続き視する事ができること。
    2. 飛行は、日の出から日没の間に行なわれなければならない。
  8. 航空法
    1. 全ての飛行は、航空法の定めに従って行わなければならない。
    2. 全ての飛行計画は、前もって航空局に通報されなければならないと共にこの通報の範囲で飛行しなければならない。(NOTAM)
  9. 高度制限
    1. 離陸及び着陸以外、下記の高度で飛行しなくてはならない。
      • 密集した市街地上空1,000ft(AGL)以上
  10. 制限事項(機体)
    1. 自由飛行を行う機体は、日本気球連盟の機体登録、更新がなされていること。
    2. 全ての飛行は、気球が安全に機能する範囲内で行わなければなれない。
    3. 如何なる場合も気球の設計・製造者の使用規定で定める制限範囲を越えて飛行してはならない。
    4. 球皮内温度計を搭載していない機体は急激な上昇速度で上昇してはならない。
    5. いかなる気球も機体に損傷を持ったまま飛行してはならない。飛行中に損傷した場合は安全な場所に速やかに着陸すること。
    6. 1系統のみの燃料方式で飛行を継続してはならない。
    7. 球皮内温度が制限を越えて上昇したときは速やかに着陸を行い原因を究明する。
    8. 飛行は着陸後、少なくとも1つのシリンダーに20%以上の燃料が残るような範囲で行わなければならない。
  11. 制限事項(環境)
    1. 気象条件の悪いところでは飛行してはならない。
    2. 地上風が8m/s以上の時は気球を離陸させてはならない。又初心者のパイロットの場合は、地上風4m/s以上で離陸してはならない。
    3. 強度なサーマルが発生している時や積乱雲の発生している時の様に気象条件の悪いときはは、飛行してはならない。
    4. 飛行は着陸可能な場所が点在しているところで行わなければならない。
    5. 離陸地の選定にあたっては風下に障害物の無い平坦地より行なうこと。
    6. 着陸地の選定にあたっては、高速道路、鉄道、幹線道路、高圧線等の近辺は避けること 。
    7. パイロットが進路変更を行おうとする際、その想定される航路上に障害物がないか、他の気球や航空機が進入する恐れがないことを確認しなければならない。
  12. 機体搭載品
    1. 全ての気球は、以下に定める装備を搭載しなければならない。
      • 消火器
      • 2種以上の着火器
      • 有効な高度計
      • 昇降計
      • 燃料残量計
    2. すべての気球は、以下に定める装備を搭載することが望ましい。
      • 機体ログブック
      • 温度計
  13. パイロット所持品
    1. パイロットは全ての飛行に対して以下の物を所持しなければならない。
      • コンパス、地図
      • パイロットログブック、熱気球操縦技能証明証
      • ヘルメット、手袋
(NKR パイロットハンドブックより)

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