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| 信頼してくれる人がいたおかげで、オーディオ機器の修理で独立できた、と語る田中さん |
ごく普通の一軒家。玄関をくぐるとそこには、音響機器が所狭しと置かれた部屋、修理を行う作業部屋、自作サーバー類や大量の資料が並んだ部屋など、ある種「聖地」のような空間が広がっていた。田中勝夫さん(60)の仕事場兼自宅だ。
田中さんは、現在「AMP修理工房」を主宰。音響機器を中心として無線機器や写真関係機器類の修理を行っている。自作のホームページにアクセスしたオーディオ・ファンが顧客だ。
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| 多様な部品類や工具が機能的に整理された作業ルーム |
修理の依頼は、全国各地から順番待ちになるほど。ホームページでは修理方法や規定などから修理の記録まで詳細に記されている。修理前の状況や故障の原因、修理の過程、使用部品、価格、そして精細な画像。依頼主からしてみれば、高額なオーディオ機器類を預けるだけに大きな安心感につながるのだろう。このホームページには国内外から1日500を超えるアクセスがあるという。
人気を集める理由はもちろんそれだけではない。卓越した技術力である。 「普通の修理屋さんは、言ってみれば対処療法。私は原因すべてを取り除いて、10年先まで故障なしで使えるような根本的な修理を目指しています。だから、手間も時間も相当なものですね」
通常の相場よりも価格は高いが、リピーターが多いという。
田中さんは、小学校入学前に疫痢にかかった影響から体が弱く、室内でハンダごてを握る日々を送った。周囲に指導してくれる人はいないし、ガイドブックも高くて買えない。すべて自分で試行錯誤しながら独力で学んだ。高校入学前には今の基本は出来上がっていたという。
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| どこに故障の原因があるのか見た目では分からないアンプ。経験と勘が重要な要素だ |
しかし、大学も就職も希望の電子関係には進むことができず、生産会社や私立高校、専門学校などで働いてきた。教員から事務職に移ってから時間に余裕ができ、高周波トランジスターやLSIを使って、試作・実験に没頭。ようやく念願だった電子関連の道で独立を果たしたのは1997年、53歳のとき。
「今から思えば、希望した電子関連に就職できなかったのは、逆に良かったのでしょう。組織の一部で終わっていたかも知れません。随分挫折も経験しましたが、それは決して無駄にはなっていませんよ」
田中さんはマイペースで活動を続けているが、将来的には弟子をとることも考えている。目指す人は多そうだ。
「この道はとにかく訓練。才能じゃありません。分からないからこそ、試行錯誤して体で覚える。勘と経験、そして訓練が決め手ですよ」
<information>
●問い合わせ AMP修理工房 田中勝夫 TEL:027-221-1920(9〜18時)
http://amp8.com/
amp@amp8.net
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