和歌山県白浜町のレジャー施設「アドベンチャーワールド」で27日、中国への返還が決まった雌のジャイアントパンダ全4頭の一般公開が最終日を迎え、多くの人が別れを惜しんだ。
4頭は母良浜(24歳)とその子の結浜(8歳)、彩浜(6歳)、楓浜(4歳)。28日に日本を離れ、中国・四川省の繁殖研究施設へ向かう。国内のパンダは東京・上野動物園の2頭のみとなる。
27日は開園前から約1400人が列を作り、観覧施設の待ち時間は最大100分に。パンダと対面した来園者から「バイバイ」「寂しいね」との声が上がり、涙ぐむ人もいた。
お別れセレモニーには先着で応募した約3千人が参加し、午後5時過ぎには4頭とも観覧施設の奥へ。姿が見えなくなるとスタッフが「最後までご観覧いただき、ありがとうございました」と涙ぐみながらアナウンスし、来園者から拍手が起こった。
今津孝二園長は「共同繁殖プロジェクトはいったん終了だが、次のパンダ受け入れに向けて態勢を整えたい」と話し、新たなパンダ貸与に意欲を見せた。
中国への返還が決まったジャイアントパンダの一般公開最終日、大勢の来園者にカメラを向けられる良浜。4頭との別れを惜しみ、涙を流すファンの姿もあった=27日午後、和歌山県白浜町のアドベンチャーワールド
ジャイアントパンダ4頭の一般公開最終日、多くの来園者にカメラを向けられる彩浜=27日午前、和歌山県白浜町のアドベンチャーワールド
ジャイアントパンダの(上左から)良浜、結浜、(下左から)彩浜、楓浜=和歌山県白浜町のアドベンチャーワールド