関西電力が美浜原発(福井県美浜町)の敷地内で地質などの調査を本格検討していることが18日、分かった。原発の建設に乗り出すとみられる。来週にも美浜町に説明する。実現すれば、東日本大震災以降で初めての原発建設となる。国内では将来の電力需要増大が確実視されている。安定供給に向けて新増設が必要だとの意見が政府、電力業界内で出ていた。
関電は2010年に美浜敷地内で建て替える「リプレース」を推進する方針を表明し調査をしていたが、東京電力福島第1原発事故の影響で止まっていた。美浜原発は現在、3号機が稼働しており、1、2号機は廃炉が決まっている。
原発建設に向けては、地質調査の後に基本設計を策定。原子力規制委員会に申請し、認可を受けて工事に着手する必要がある。地元が受け入れるかどうかも焦点となる。
森望社長は24年12月のインタビューで「長期的には新しい物を用意していく必要がある」と述べていた。これに先立つ11月には新株発行などによる大規模増資を発表。約3800億円を調達した。
関西電力美浜原発。手前から3号機、2号機、1号機=3月、福井県美浜町