国土交通省や水資源機構が管理するダムのうち、少なくとも15道府県33カ所の貯水率が平年や昨年と比べて低いことが1日、分かった。降雨が少なく気温の高い日が続いているため。7月31日時点の国交省まとめによると、15水系19河川で取水制限など渇水への特別態勢を敷いている。長引けば農作物の不作や断水につながる恐れがある。
国交省は17年以来8年ぶりに渇水対策本部を設置。農業用水確保に向け、自治体から要望があればポンプ車や給水車などを派遣する方針を決めた。
国交省が各地方に置く出先機関などへの取材を基に集計した。平年より低いのは北海道1カ所、東北14カ所、中部4カ所、中国7カ所、九州1カ所。近畿は6カ所が昨年と比べて低かった。
東北14カ所のうち、岩手県の御所ダムと宮城県の鳴子ダムは「0%」。東北地方整備局によると、わずかに残った水をくみ上げている状況で、時間を区切って農地に水を引く「番水」をしている。
島根県の尾原ダムも貯水量が低下。生活用水の減少が避けられないとして、住民に節水を呼びかけた。
貯水率が低い主なダム
宮城県大崎市の鳴子ダム=7月30日(共同通信社機から)