【エルサレム共同】イスラエルのネタニヤフ首相は16日、パレスチナ自治区ガザの中心都市、ガザ市で「強力な作戦を開始した」と明らかにした。複数の地元メディアは、イスラエル軍がガザ市に戦車で地上侵攻し、ガザ市制圧作戦を開始したと報じた。イスラム組織ハマスの壊滅を目指す。ガザ市では依然数十万人が避難生活を送っているとされ、地上侵攻が進めば犠牲拡大は必至だ。
米ニュースサイト、アクシオスによると、15日夜、ガザ市で大規模な空爆を実施した後、戦車が市内に入った。軍報道官も16日、ガザ市でハマスの拠点破壊を開始したと発表。ガザ市は「危険な戦闘地域と見なされる」と住民に一方的に通告し、可能な限り早期に退避するよう要求した。
ルビオ米国務長官は15日にエルサレムでネタニヤフ氏と会談した際、トランプ米政権は地上侵攻を支持するが、可能な限り早急に完了するよう望むとの意向を伝えた。
イスラエル政府は8月にハマス壊滅と人質奪還を掲げ、制圧計画を承認。地元メディアによると、ザミール参謀総長は制圧計画に慎重な姿勢を見せている。
イスラエルの空爆後、建物から立ち上る煙=15日、パレスチナ自治区ガザ市(ゲッティ=共同)
15日、パレスチナ自治区ガザ市で、イスラエル軍の攻撃から避難する人たち(ゲッティ=共同)