航空自衛隊のT4練習機が愛知県犬山市のため池「入鹿池」に墜落した事故で、自衛隊と県警、地元消防は15日、安否不明となっている隊員2人の捜索を続けた。墜落機にはフライトレコーダー(飛行記録装置)が搭載されておらず、空自の事故調査委員会による原因究明が難航する恐れがある。中谷元・防衛相は15日、T4への記録装置搭載を速やかに進める考えを示した。
空自は15日、隊員2人は、新田原基地(宮崎県)の第305飛行隊に所属する井岡拓路1等空尉(31)と、網谷奨太2等空尉(29)と発表。網谷2尉が前席、井岡1尉が後席に座っていた。T4は後席でも操縦可能で、事故当時、どちらが操縦していたかは分かっていない。
現場では迷彩服の自衛隊員らがボート上から捜索。日の出を迎えた午前5時前にはヘリコプターも加わった。池から機体の破片とみられる物を回収した。県警と消防は計約80人態勢。潜水するなどして捜した。
中谷氏は15日の参院外交防衛委員会で、空自が保有する197機のT4のうち約60機に記録装置が未搭載だと説明した。
自衛隊員によって回収された航空自衛隊T4練習機の破片とみられる物=15日午前5時53分、愛知県犬山市
航空自衛隊のT4練習機が墜落した愛知県犬山市の入鹿池。油のようなもの(左)が水面に浮かんでいるのが見える=14日午後5時1分(共同通信社ヘリから)