自民党派閥裏金事件を巡り、旧安倍派幹部だった下村博文元文部科学相は27日、衆院予算委員会に参考人として出席した。2022年6月下旬と7月下旬に還流再開を求める派内の声を会計責任者の松本淳一郎氏に電話で伝えたと説明。再開の指示ではないとした上で、自身が会長代理の立場にあったため松本氏が指示と誤解した可能性を否定しなかった。同8月の幹部会合でも再開要望について言及したといい、松本氏の判断に影響した可能性がある。
松本氏は今年2月、衆院予算委による参考人聴取で、22年7月に幹部から再開を求められ、同8月の幹部会合で再開が決まったと証言した。
旧安倍派では22年4月に当時会長の安倍晋三元首相が「現金による還流は不透明だ」として中止を決めた。下村氏によると、同5月の派閥パーティー後に還流を求める声が寄せられたため、6月下旬と安倍氏死去後の7月下旬の2度にわたって、松本氏に事務的に電話で派内の声を伝えた。
予算委で、下村氏は「私自身の話し方で松本氏がそう思ったとしたら不徳の致すところだ」と語った。
自民党派閥裏金事件を巡り、衆院予算委で発言する下村元文科相=27日午後