環境省が、東京電力福島第1原発事故に伴う福島県内の除染土を再利用するため、19日に首相官邸に運び込む方針であることが17日、関係者の話で分かった。県外での再利用は初めてで、国民の理解醸成が狙い。
第1原発周辺の中間貯蔵施設(同県大熊町、双葉町)には除染で出た土や廃棄物が約1410万立方メートル搬入されている。関係者によると、19日にこのうち約2立方メートルを官邸の前庭に運び込み、20日に作業を完了させる予定。普通の土をかぶせて表面に芝生を張ることを想定している。官邸に人が少なくなる週末を選んだとみられる。
浅尾慶一郎環境相が1日、県外で再利用する最初の事例として、7月中の施工を目指す方針を表明していた。
中間貯蔵施設の除染土は、法律で2045年3月までに県外で最終処分すると明記されている。政府は放射性物質濃度が比較的低い除染土を公共工事などで再利用し、処分量を減らす計画だが難航している。
首相官邸