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台湾航空便、10万人に影響か 中国軍の包囲演習、日米をけん制

更新日時:2025年12月29日(月) PM 10:27

 【北京、台北共同】中国軍は29日、台湾を包囲するエリアで軍事演習を始めた。実弾射撃訓練を含むと発表し「台湾独立勢力と外部干渉勢力に対する厳重な警告だ」と主張した。中国はトランプ米政権による台湾への大規模な武器売却承認や、台湾有事は存立危機事態になり得るとした高市早苗首相の国会答弁に反発しており、日米をけん制する狙い。

 台湾周辺での大規模演習は今年4月以来で、昨年にも台湾を包囲する海空域で演習を2回行った。台湾独立派と見なす頼清徳政権への軍事圧力を一段と強化した。台湾交通部(交通省)によると、30日は台湾と各国を結ぶ航空便の利用客10万人以上に影響が出る見通し。

 台湾国防部(国防省)は29日午後3時までに台湾周辺で中国の艦船計32隻、軍用機延べ89機を確認した。空母は演習に参加していないとみている。

 演習名は「正義使命―2025」。陸海空軍のほか、核ミサイル部隊を管轄するロケット軍が参加し、台湾海峡と台湾本島の北部、南西部などで実施。制空海権奪取、港湾や重要区域封鎖の訓練を重点的に行う。

 台湾周辺で軍事演習「正義使命―2025」を始めると発表する中国軍の東部戦区の報道官(同戦区の「微信(ウィーチャット)」公式アカウントから、共同)

 

 中国軍で台湾方面を管轄する東部戦区が発表した、台湾周辺での軍事演習区域を示す図(新華社=共同)

 

 中国軍が4月1日、台湾周辺で実施した軍事演習とされる動画の一場面(中国国営中央テレビ電子版から、共同)