防衛省は3日、沖縄県・尖閣諸島周辺で同日午後、領海に入った中国海警局の船からヘリコプター1機が飛び立ち、領空侵犯したと発表した。航空自衛隊のF15戦闘機2機が緊急発進(スクランブル)して対応した。中国による領空侵犯は4回目。政府は外交ルートで中国側に厳重に抗議し、再発防止を求めた。
防衛省や第11管区海上保安本部(那覇)によると、船は4隻で、3日午後0時20分ごろから相次いで領海に侵入。ヘリはうち1隻から発艦し、約15分間飛行した。同時刻ごろに日本の民間小型機が周辺を飛んでおり、防衛省は関連を調べる。
11管によると、4隻は午後1時ごろまでに領海外側にある接続水域に出たことを海上保安庁の巡視船が確認した。中国当局の船が尖閣周辺で領海侵入したのは4月7日以来で、今年11日目。
4隻は機関砲を搭載。領海から出るよう巡視船が要求した。
防衛省によると、中国による尖閣周辺での領空侵犯は今回で3回目。2024年8月には中国軍機として初めてY9情報収集機1機が長崎県五島市の男女群島沖の領空内を飛行した。
沖縄県・尖閣諸島周辺で中国海警局の船から飛び立ったヘリコプター=3日午後(海上保安庁提供)
沖縄県・尖閣諸島