札幌・ススキノで2023年に起きた男性殺害、頭部切断事件で、死体遺棄、損壊罪で起訴された田村瑠奈被告(31)=殺人罪などでも起訴=をほう助(手助け)した罪に問われた母親の無職浩子被告(62)に札幌地裁は7日、懲役1年2月、執行猶予3年(求刑懲役1年6月)の判決を言い渡した。
判決理由で渡辺史朗裁判長は「娘の犯行を阻止できる立場だった浩子被告が、犯行の意思を促進した程度は小さくなかった」と非難しつつ「既に持ち込まれた頭部の隠匿を事後的に容認したにとどまる」などとして刑の執行を猶予した。
関係者によると、瑠奈被告は起訴前に続いて2度目の精神鑑定を受けており、初公判の見通しは立っていない。
判決によると、23年7月3~24日、瑠奈被告が男性の頭部を自宅に隠匿、遺棄することを容認したほか、同7日にはビデオ撮影を求められ、損壊する様子の撮影だと認識しながら夫に伝えて実行させた。
弁護側は「娘が頭部を持ち帰った時点で死体遺棄は終了した」などとして無罪を主張。判決を受け、即日控訴した。
田村浩子被告の札幌地裁判決で、傍聴券を求め並ぶ人たち=7日午前