【リオデジャネイロ共同】中国やロシアなど主要新興国で構成するBRICSは6日、ブラジル南東部リオデジャネイロで首脳会議を開き、「リオデジャネイロ宣言」を採択した。宣言は加盟国イランに対する攻撃を非難したが、米国やイスラエルの名指しは避けた。
宣言は「イランに対する軍事攻撃が国際法違反であることを非難し、中東の安全保障情勢の緊迫化に強い懸念を表明する」とし、国連安全保障理事会で問題に対処するよう求めた。イランメディアによると、同国のアラグチ外相は会議で「イスラエルと米国が犯した行為は前例のない国際平和の侵害だ」と批判した。
ブラジルメディアによると、宣言を巡る政府高官の事前協議で、イランは厳しい表現で米国とイスラエルを批判することを求めた。一方で欧米との対立を嫌って強い批判を避けたい加盟国もあり取りまとめは難航した。
宣言はまた、米国の関税強化を念頭に「貿易をゆがめ、世界貿易機関(WTO)のルールに整合しない一方的な関税措置に深い懸念を表明する」と強調した。
BRICS首脳会議で写真に納まる各国の代表=6日、ブラジル・リオデジャネイロ(共同)