金剛寺

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(第36話) 子供でも分かっていること

釈尊は、「悪い事はしてはいけない。善い事をしなさい。」とお教えになられましたが、易しくて難しいことです。

中国の名僧と呼ばれる道林和尚は、普段木の上で生活し修行をされておりました。そこに大詩人の白楽天が訪れ、仏の道を尋ねました。その時、道林和尚は『諸々の悪をなすことなかれ、多くの善いことを行いなさい。』と答えられた。白楽天は思わず、そんなことは、3歳の子供でもわかっていることではないですかと憤慨し反論しました。道林和尚は白楽天にむかって『3歳のこどもが知っていることでも、老人にさえなかなかできる事ではない。』と言い放しました。白楽天もは深く頭をたれ帰って行ったとのことです。

『実践しなければ』の法話の中で述べましたように、言うことと行うことの間には、大きな隔たりがあります。いわゆる言行不一致です。悪い事をしてはならないことを十分理解している人が出来ないとは真に恥ずかしい事です。

白楽天(はくらくてん)