中世の建築が現存 1953(昭和28)年7月4日

桐生市広沢町六丁目の旧家彦部敏郎氏の邸宅は、中世末期豪族の居館をそのまゝ存するものとして桐生市から重要文化財として指定を申請する。一方早大経済史学会学生の手で研究調査がすゝめられる。

手臼山の麓にある彦部家住宅は1561(永禄4)年からこの地に定住した豪族の彦部氏が江戸時代に建築した。農家と武家の特徴を併せ持つ主屋と長屋門、冬住み、文庫倉、穀倉の5棟で構成。山裾以外の三方に土塁や壕(ほり)が設けられ、屋敷全体に中世の城郭跡を見ることができる。1992(平成4)年、国重要文化財に指定。茶会などの催しの会場となっている。