利根の川面切るサケ 1983(昭和58)年10月12日

利根川にサケが帰ってきた。秋の訪れとともに、流域の各地で川を遡上するサケの姿を見かけた人が相次いでおり、一時は「絶滅か-」の声さえ出ていた利根川のサケだけに、漁協関係者らの期待は高まる一方。

利根川は戦前、サケの遡上の南限とされ、毎年20トン前後の水揚げがあったが、河川の汚れに加え、利根大堰おおぜきの着工で激減した。大堰を遡上そじょうするサケの計測はこの年から始め、初年は21匹だった。「カムバックサーモン」を合言葉に、水質浄化、魚道の設置、稚魚の放流に取り組んだ結果、次第に増加。2013(平成25)年は過去最多の1万8696匹を記録した。