たよれぬ誘致工場 1975(昭和50)年7月5日

多野郡上野村の唯一の誘致企業が昨年暮れ、不況のあおりで倒産した。黒沢丈夫村長はこの企業に操業再開を要請しながらも、村独自で木工を中心にした地場産業の育成に全力を投入することになった。

記事では村議会から「企業に出した補助金を取り戻せ」と突き上げられたと議員のいら立ちを紹介。これに対し黒沢村長は誘致企業に頼らない、地元森林資源を活用した木工業への取り組みに意欲を示した。過疎化に悩む上野村では、黒沢村長がさまざまな施策を打ち出したが、現在まで続く木工品製造の基盤がこの時期につくられたことになる。