「紫電改」34年ぶり浮上 1979(昭和54)年7月15日

太平洋戦争末期の二十年七月、愛媛県南宇和郡城辺町久良湾に墜落した旧海軍局地戦闘機「紫電改(しでんかい)」が十四日午前十時、愛媛県の手で三十四年ぶりに引き揚げられた。収容された機体はほぼ原形のまま。

紫電改は零戦の後継機として海軍が採用し、旧中島飛行機製エンジン「誉」を搭載。引き揚げられた機体は豊後水道上空で米艦載機と交戦して未帰還のままとなった第三四三航空隊所属の6機のうちの1機とみられ、1978年11月に地元のダイバーが発見した。6機の乗員には中之条町出身の今井進・一飛曹が含まれ、引き揚げ作業を実弟が見守った。