桐生に「文化の殿堂」誕生 1989(平成元)年5月8日

近代日本洋画の代表的な画家を中心に、ピカソ、ルオーら海外の逸品千三百点を集めた大川美術館が、桐生市にオープン、美術関係者の注目を集めている。実業家の大川栄二氏が私財を投入して建設した。

館長に就任した大川氏は桐生市出身で、三井物産社員から後にダイエー副社長に上り詰めた。若い時から独自の審美眼で絵画収集に取り組み、早世した松本竣介と野田英夫の作品にほれ込んで国内屈指のコレクションを築き上げた。2008年、84歳で逝去したが、公立美術館にはない独自性が注目され、今も県内外から美術ファンを集めている。