土屋文明 未発表の「歌」発見 1994(平成6)年2月27日

本県が生んだ歌人、土屋文明と「アララギ」派の歌友、斎藤茂吉の交流を裏付ける未発表の歌が二十六日までに、「土屋文明記念文学館」設立のために県教委が収集している資料の中から見つかった。

見つかった歌は茂吉自筆の歌幅(軸物)を納めた箱に文明が箱書きしたもので、「釜無かまなしの山川水を共にみき五十年すぎ今思ふなり」。長野県諏訪高女の校長だった28歳の文明が、8歳年長の茂吉と川遊びをした際の思い出を詠んだ。2人の交流を示す貴重な資料で、歌幅は県教委が都内の古書店から入手した資料の中にあった。