製絲界の元勲 萩原鐐太郎翁 1916(大正5)年3月28日

本日碓氷社に於て叙位祝賀式を擧行さるゝ本縣製絲界の元勲者同社顧問萩原鐐太郎翁は(略)明治十一年同志と共に碓氷社を創立し(略)交社業困難の極に達し將に瓦解せんとする際擁せられて経営の任に當り

碓氷社は県内初の組合製糸として1878(明治11)年に誕生した。製糸工場と異なり、農家が養蚕から座繰りによる製糸を自分の家で行う方式を採用。碓氷郡の103戸で立ち上げた組合は最盛期に10都県1万8000戸にまで拡大した。萩原鐐太郎は世界的なデフレに見舞われた時に社長に就任、農家本位の経営で難局を乗り切った。県議、衆院議員を歴任。