芥川賞に南木氏(嬬恋出身) 1989(平成元)年1月13日

第百回芥川賞・直木賞(日本文学振興会主催)の選考委員会が十二日夜、東京・築地の「新喜楽」で開かれ、芥川賞は吾妻郡嬬恋村出身で医師の南木佳士(なぎ・けいし)氏=本名霜田哲夫=の「ダイヤモンドダスト」

佐久総合病院で内科医として勤務する傍ら、作家活動に励んでいた南木さんは5回目のノミネートで芥川賞を受賞した。自宅近くの喫茶店で開かれた会見で「肩の荷が下りてほっとしたという気持ちです」と喜びを語り、「医者が本業です」と話した。受賞後にうつ病を発症。軽勤務を続けながら、執筆した「阿弥陀堂だより」は代表作の一つになった。