「人間の証明」で霧積ブーム 1977(昭和52)年10月9日

霧積温泉の人気が高まっている。森村誠一の小説「人間の証明」の舞台となったことから本を読んだ人がハイキングなどに押し寄せているためで、二軒ある旅館は来月上旬まで週末は予約で超満員。

「母さん、僕のあの帽子、どうしたでしょうね」。映画で流れた印象的なせりふが霧積ブームを押し上げた。温泉旅館は当時、金湯館ともう1軒が営業していたが、電話がなかったため、松井田町の旅館連絡所や都内の県物産観光事務所に予約が殺到した。観光客の大半は若い女性で、中にはわざわざ麦わら帽子を谷底に投げ込む人もいたという。