魔神の舞踊 スミス氏飛ぶ 1917(大正6)年7月20日

鳥人來る!天界の覇王來る!今日しも市公園の上空に於いて其の秘技を盡し驚天動地の放れ業を演ぜんとするなり、雲は憶して影を収め鳥は恐れて翼を休む、紺碧の空も燿光に覆はれて仰ぐだに眩しく

米国の曲芸飛行家、アート・スミス氏を招いた飛行大会(上毛新聞社後援)が前橋市で開かれた。10万人を超える観客が詰めかけ、カーチス式複葉機による宙返りや逆転飛行、アーチ抜け、急転直下といった曲芸に興奮した。本紙は当時4ページの紙面の1ページをほぼこの記事で埋めた。写真説明には「人か!鳥か!神か!見よ空界の魔王を」とあった。