多々良沼にオニバス 1982(昭和57)年10月8日

昭和三十年代末に、館林市から姿を消した水生植物のオニバスが多々良沼で自生しているのが見つかった。オニバスはミズバショウと並ぶ貴重な水生植物で、現在、本県で自生が確認されているのは、ここだけ。

オニバスは沼や池に生育するスイレン科の水生植物。葉の表面に凸凹のしわがあることと葉脈にとげがあるのが特徴。葉は直径60センチぐらいが多いが、2メートルになるものもあるという。戦後急速に減り続け、1964年を境に絶滅したとみられていた。そのオニバスを市の職員が発見、種を採取した。現在も地元の人たちが自生地を広げる活動に取り組んでいる。